重症筋無力症;全身型 第2回入院生活4日目

■12月18日(金)■

前日のステロイドパルス療法終了後には、睡眠不足より血圧は今までに経験したことが無い
200以上を示していた。そして寝るころには動機も激しくなってきて安眠どころではない。
高熱や吐き気がしても訴えなかったが命の危険が見えてきたので深夜ではあったが訴えた。
そして、その晩は別の個室に移って一晩を過ごした。

こうなったのには理由がある。いや、以前よりうすうす気がついてはいたがまさかここまで
酷いとは思っていなかった。

以前の入院中に知り合った患者Mさん。職業は後々知ったがフリーの大工らしい。
理由は、純然たる一般国保加入者であった。トシは十分大人である。

このかたはMSで入院をしているようで、隣の部屋に入院をしていた。

当時から看護婦泣かせで、その日その日担当になる看護師にクレームほどでは無いが、
意見を言うようなかたで、あまりのしつこさに、看護師に舌打ちをされえるような言い回しの
発言もしばしばあった。

それも時間帯関係無しにである。

病棟の就寝時間は、21時から6時だが、患者Mは自分の都合で行動をする大工とは思えない
集団行動が出来ない人らしく、自分のしたいときにするような人であることは看護師から
聞いていた。

例えば、身体を動かしたいからと点滴スタンドをバーベル代わりにしてみたり、起床直後に
洗濯機を回してみたり、就寝中だろうがお構いなく、スナック菓子をバリバリ食べ始めて、
空き袋をガサガサと丸めてゴミ箱へ投げてみたり。毎日飲んでいるペットボトルの空き瓶を
病室でまとめてつぶしてみたり、何をしているか知らないが、頭床台の引き出しやテーブルの
出し入れをバッタンバッタンと始めたりするような日中にすればよいことを同室の患者に
お構い無しに行う人であると聞いていた。

今回の入院で、病棟スタッフが顔見知りをいっしょにと気を利かせてくれたのであろう。
患者Mと同室になった。スタッフには罪は無い。罪は48歳にもなって周りに気を利かせられない
患者Mである。

事件は初日から起こった。

消灯時間の21時になったころ部屋の電気は看護師さんに消されるので、頭床台のスポットライトを
起きている人はつけることになっている。患者Mは、以前の入院中より不眠に悩まされていて、
長きにわたり看護師&医師を捕まえて偉そうになんとかしろとわめいていた経緯がある。
数日にわたる口論により出た結果は、22時に導入剤、23時に睡眠剤を服用するという結果。
そのため、当然21時になっても寝ることは無く最低でも23時までは起きていることになる。
その間が問題で、全くおとなしくしていない。まず、テレビをつけてイヤホンから漏れるほど大きな
音で鑑賞を始めた。そして一つ一つが包装にくるまれたおやつらしきものを食べ始めた。
その包装を開ける音とくちゃくちゃ食べる音が一向に止まらない。いったいテレビを見ながら何を
食べていおるのだろうか?不思議である。ただでされMS患者はステロイドの投与量が多いので、
ムーンフェイスや体重増加につながりやすいのに一体何をしているだろうか?

22時が近くなったころ音がしなくなった。

と、思ったら今度はペットボトルをつぶす音が聞こえてきた。えっ?と思ったら、また一つ、またひとつ。
いったい何本つぶすのだろうか。なぜ今行っているのだろうか。
そんなことを考えていたら音は止まった。すると姿はカーテンで見えないが、自分のゴミ箱を手にもって
廊下にある共用ゴミ箱に投げに行った様子で、そこでも入りきらなかったのか潰す音が聞こえてきた。
これでは部屋だけでなく、全ての部屋に聞こえて迷惑気周り無い。この病棟には病状に神経質なDMも
いるのにである。そんなこと日中にやればよいものである。

そんなことで23時になったことに気が付いたのだろう。静かになった。睡眠薬を飲んだ音が聞こえた。
ぐびぐびぐびぐび。たった一錠にどれだけ水分が必要なのだろうと思っていたとたん、テーブルに
ペットボトルを思いっきり置く音で部屋中が響いた。静かに置けないものか。

そして静かになったのは23時30分を過ぎたころであった。

その後、20分ほど経過したがいびきをかき始めた音を聞いて私も睡眠に入れた。

翌朝、ものすごい音で目が覚めた。何事かと思い時計を見ると5時である。
向かいを見ると、頭床台のスポットライトが光っていた。テーブルから物凄い勢いで何か取り出して
何かを始めたらしい。

いったいなんだろう?

なにをしているか結局わからないまま起床の6時を迎えた。

こっちはステロイドパルス初日なのに賞味5時間しか寝ていない。こんなことで大丈夫かと思ったが、
案の定、頭痛と発熱にあってしまった。前回では発症しなかった症状である。
そのまま昼食後は、起きていられず横になってしまったが、当然寝れるわけが無い。パルス後に爆睡
出来る人がいたら会ってみたいものだ。それぐらい本来は辛いものである。

その原因を作った患者Mは高イビキで爆睡中である。そんなことだから睡眠時間に寝れないことが
わからないのかと思ってしまう。しまいに寝れないから睡眠薬を看護師に要求するなどもっての他である。
誰でも日中寝れば、夜は寝れないものであることは知っている。
爆睡では無く、爆死してほしいくらい、いら立つ。そしてこの対応をしている看護師は気の毒である。

こんなことを考えるとストレスになってしまうのだろうか。

そして、ステロイドパルス療法最終日の1日目が昨々日に終了。

その夜も昨夜と同様に悪夢が。と思ったら今夜はおとなしくしているではないか。

今夜は寝れるかと、安心して就寝。と、思ったのが甘かった。夜中に突然のバターン!という轟音。

身体がビクッとなって目が覚めた。時計をみると23時過ぎである。また、始まった。

これではもう寝れないと決心して、デイコーナでたたずんでいた。このままここで過ごすのも覚悟で。

そうしたらいつもよくしてしてれている看護師Wさんが夜勤で、声をかけてくれた。この看護師Wさんは
前回入院時に使用した自己薬箱を今回のためにとっといてくれた人である。

事情を話したが、この週は入院が多く部屋が空いていないのは知っていた。当然看護師も知っている。
だが事情が事情と考えてくれて、術後に使用する予備部屋を一晩開けてくれることになった。

そして朝になり朝食は元の部屋でとり、その後、予備部屋の使用がと当面ないことが確認できたらしく
緊急入院が出るまでは、そこにいて良いことになり直ぐに転室になった。

転室完了後、ステロイドパルス療法最終日の2日目が昨日に終了。
身体はダルく、声はお姉ぇだし、画面は熱っぽい。血糖値は問題無かったが、脈拍と血圧が生涯、
体験したことが無い数値になっていた。特に血圧が著しく高く、アムロジピンが処方されるくらいである。

2クール目にして、本来の治療の苦しみを味わったが、間違いなくストレスからくることを実感できた。
その証拠に、その日はバイタル測定を6回定期的に行ってくれたが、あっという間に正常値に戻った。

明らかに、睡眠不足とストレスである。

全ては患者Mのせいであるとは、言わないが99.9999999%は間違いない。

そして、その日はダルいがなんとか自宅にいるときと同様の23時にはなんとか寝ることができた。

だが翌日、話し声で目が覚めた。時計を見ると5時である。もちろん外の景色は暗い。

声の主は、患者Mである。当然独り言では無く他の患者と話しをしているようだったが、他の患者は
小声で話しているのに、患者Mは鉄のドア越しでもハッキリ聞こえる音圧で会話をしている。
起床前なので、ほとんどの患者は睡眠中である。

私がなぜ目の前からいなくなったのか考えてもいないのだろうか。治療中に体調が変わったから
個室に移ったくらいにしか思っていないのだろうか。

間違いなく、就学旅行ではハジキものだったろう。。

そして、予定通り個室でステロイドパルス療法最終日の3日目が終了。

現在のバイタルは、全くもって正常であるが、動悸が胸の苦しさが残ったままである。
数値的には何も問題が無いし、寝れないわけでもないので様子見を決めているが、週明けても収まらない
ようであれば、日勤看護師さんに相談を考えているところ。

今月末に一旦、退院して来月に再入院する際が恐怖である。

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